ChatGPTの問合せ履歴を保存しておきたい

2024/07/18 中の人

ChatGPT の生成AIを利用したことのある人は、「Q&Aの履歴を保存しておきたい」と思うことがあるのではないでしょうか。ChatGPT と FileMaker を統合することで簡単に履歴を保存する ChatGPT のカスタムアプリケーションを作成できるということをご紹介したいと思います。

ChatGPT を単体で利用(APIを使用しない)場合、やりとりのチャット履歴を保存しないように設定できます。一方、APIを利用する場合は履歴が保存されません。

しかし、FileMaker と ChatGPT のAPIを組み合わせることで、簡単に履歴を保存することができます。また、APIを利用する場合はAIの学習に利用されることがないため、情報漏洩のリスクを減らすことができます。

出来上がった FileMaker カスタムアプリケーションでの質問の手順は、

OpenAI のAPIキーを取得して FileMaker に設定
プロンプトを設定
質問

だけです。APIキーの取得さえしておけば、プロンプトの設定なしでも ChatGPT に質問を投げれば FileMaker が自動的に履歴を保存してくれます。AIに「より精度の高い回答」をしてほしい場合には「プロンプト」を設定して質問を投げかけます。

1 APIキーの取得
2 FileMaker カスタムアプリケーション作成
3 プロンプト
4 チャット履歴
5 プロンプト作成
6 プロンプト履歴
7 最後に
8 参考サイト

APIキーの取得

OpenAI のAPIキーの登録方法については弊社「開発者ブログ」
　ChatGPT に FileMaker のブログを書かせてみました
を参照ください。APIキーは下記に設定します。

FileMaker カスタムアプリケーション作成

今回作成したスクリプトは下記のみになります。

実際に ChatGPT のAPIを呼び出しているのは、

チャット履歴
プロンプト履歴
images履歴

になります。(images履歴については今回ふれません)

内容の詳細については
　ChatGPT に FileMaker のブログを書かせてみました
を参考にしてください。その内容に履歴を作成するステップを追加したものになります。

プロンプト

ChatGPT に質問を投げる場合、より精度の高い回答を得るためには、質問をするこちら側が「指示や質問の仕方を工夫する」必要があります。「プロンプト」はそのための詳細な指示をするものになります。

例えば、「お客様に送るメールを作成してください。」と質問する際に

“以下の情報を元にメールを作成してください。
　メールの目的:先日のセミナー参加へのお礼と次回のセミナーにも参加してもらう
　メールの形式:件名の次に本文がくるようにしてください”

と「プロンプト」を設定して指示するだけで回答の内容がかわってきます。

今回作成した画面の「チャット履歴」は単に質問をして回答を得るものになります。「プロンプト履歴」はプロンプトを指示して回答を得るものになります。

チャット履歴

①に管理しやすいようにタイトルをつけます。チャット履歴ではこのタイトルごとにさらに履歴が作成されます。入力したら②を押して質問画面へ移動します。

質問画面では③に質問を入力して、④で ChatGPT に質問を投げます。回答がかえってくると⑤に履歴が追加されていきます。

プロンプト作成

「プロンプト履歴」画面をみる前に、指示に使用する「プロンプト」を作成しておきます。前もってよく使用する「プロンプト」を作成しておいて、質問の際に一覧から選択して利用できるようにしておきます。

ホーム画面の①ボタンからプロンプト管理画面を開きます。

②に管理しやすいようにタイトルを付けます。③に指示内容を記載します。レコードを追加したい場合は④ボタンで追加します。

プロンプト履歴

①に管理しやすいようにタイトルをつけます。チャット履歴とは異なり、タイトルごとに履歴を作成しません。この画面が履歴の一覧となります。入力したら②を押して質問画面へ移動します。

質問をする画面では、最初に③から「プロンプト」を選択します。④に質問を入力して⑤で ChatGPT に質問を投げます。回答がかえってくると⑥にその内容が表示されます。

最後に

いかがでしょうか。FileMaker を使用することで簡単に ChatGPT の履歴を保存するカスタムアプリケーションを作成できることがお分かりになったかと思います。

ChatGPT のモデルは無料で利用可能な「gpt-3.5-turbo」を利用しています。また、画像を生成する「images履歴」についてはふれませんでしたが、機会があればブログの記事にしていきます。

今回の記事が参考になれば幸いです。

※ChatGPTの仕様については変更になっている場合があります。最新の情報を確認してください。

参考サイト

以下のサイトを参考にさせていただきました。ありがとうございます。

▼OpenAIのAPIを使ってみた。[Postman]
▼Integrating ChatGPT with Claris FileMaker
▼FILEMAKER INTEGRATION EXAMPLES WITH CHATGPT
▼FileMakerでChatGPT APIを呼び出す方法
▼FileMaker ChatGPT Integration
▼ChatGPTから高度な回答を引き出すプロンプト文例集
▼ChatGPTなどで使える文例集

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