Ubuntu サーバーに FileMaker Server 19 をインストールしてみた
皆さまこんにちは! よしです。
FileMaker は入社して初めて触り、日々勉強中です。よろしくお願いします。
Claris社がリリース予定のClaris Pro製品は、Linux環境が前提になります。
事前にある程度慣れておく必要がありそうです。
Linux環境に慣れる一環として、FileMaker Severをインストールしてみました!
その過程で注意が必要だと思った箇所を紹介します。役立てていただければ幸いです。
FileMaker Sever 19とClaris Serverの違い
通常、FileMaker ProはFileMaker Sever 19にアップロードし運用します。
Clarisがリリースを予定しているClaris ProにもClaris Serverという製品が存在し、こちらにアップロードし運用することになります。
FileMaker Sever 19はWindowsにも対応しておりますが、Claris Serverは対応しておりません。Ubuntuのみの対応となりますので、Linux環境(Ubuntu)に関する知識が必要になります。
Claris Pro・Claris Serverの詳細はこちらの記事をご覧いただけると幸いです。
Claris Studioの詳細はこちらの記事をご覧いただけると幸いです。
Linux とは
Linux は世界的に普及しているOSです。
一般的なパソコンのOSで言うところの Windows です。聞いたことないという方もいるかと思いますが、Linux はサーバー用のOSとして有名です。Windows と違い、無料で使用でき、改良や再配布が可能というのが特徴です。
Linux は改良や再配布できることから、さまざまな派生OSが存在します。その中に Ubuntu というOSがあります。FileMaker Server 19・Claris Server は Ubuntu に対応してます。
Linuxのメリット
①無料
②動作が高速
③Windowsと比較し更新時の再起動回数が少ない
→再起動しなくても良い場合が多いため、サーバーを止める回数が減ります
④カスタマイズ性が高い
Claris Server になぜ Ubuntu を採用するのか、英語の記事ですが、Windows と macOS での提供しない理由がありましたので、紹介いたします。
単一のオペレーティング システムに集中することで、安定したサーバー製品をより迅速に作成し、潜在的なバグを減らして提供することができます。さらに、
Claris Cloud (近日公開予定) — FileMaker Cloud と同様 — は Ubuntu で動作し、一貫したユーザー エクスペリエンスを提供します。
ホワイトペーパー P7の翻訳記事からの抜粋(Google翻訳)
注意点
FileMaker Server 19 を Ubuntu にインストールする際、Ubuntu がamd64版のものか確認してください。Ubuntu 版 FileMaker Server 19 がamd64版にしか対応していないためです。
確認方法はいくつかありますが、、、
1.インストールに使用したisoのファイル名を確認する
2.Ubuntu の端末で cat /proc/cpuinfo と入力しvendor_idの箇所を確認する
1のインストール時に使用したisoファイルの名前を確認すると簡単に分かります。
画像1
インストール手順
Ubuntu用の FileMaker Server 19 のインストールファイルを準備します。ライセンス購入した際に送られてくるメールのリンクからダウンロード可能です。
インストール環境
チップ:Apple M1
メモリ:8GB
macOS:Ventura
仮想化ソフト:UTM(エミュレータモード)
インストールファイルのあるディレクトリに移動します。そのために以下のコマンドを入力します。
cd 絶対パス
そうしましたら、以下のコマンドを入力します。
sudo apt install ./インストーラー名
画像3
そのあとはメッセージに従い、Admin Console のアカウントやパスワードの設定及び規約に同意します。
※壊れた変更禁止パッケージがあります。とメッセージが出る場合があります。
その際は、Ubuntu が本当にamd64版なのか確認してください。
速度比較の実験
パターン1: FileMaker Server 19 (検証用サーバ)
CPU:4コア
メモリ:8GB
OS: Windows Sever 2019
パターン2: FileMaker Server 19(Ubuntu:今回構築)
ホスト
チップ:Apple M1
メモリ:8GB
macOS:Ventura
仮想化ソフト:UTM(エミュレータモード)
仮想サーバ設定
コア設定:4コア
メモリ:4GB
JITキャッシュ:512MB
OS:Ubuntu Ver 20.04.5 LTS
使用したファイル
とあるファイルで、数十万件のレコードから特定の会社の特定の月の請求書(PDF)を発行する機能があります。
この機能をパターン1、2で比較してみました。
** 速度比較 **
環境がかなり異なるので、あくまで参考に見ていただくようお願いします。
結果
パターン1:1分10秒程度
パターン2:1分15秒程度
Ubuntu Server はエミュレーターを使用しているため、かなりのボトルネックになっているはずですが、数秒の差となりました。
実際のサーバーだとWindows Server より早くなることが期待できます。
まとめ
Windows と違う部分はあるのですが、使うコマンドが限られているのですぐに慣れることができそうです。
Claris Serverをインストールする記事の投稿も予定しております。
楽しみにしてくださると、幸いです。
参考:
仮想化ソフト
ホワイトペーパー
https://storage.pardot.com/526331/1675800253nG4l1cF5/Claris_Server_Linux_WP_Feb_2023_EN.pdf